【活動日誌】平群谷、竜田川東側の遺跡②

三里古墳

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この古墳の特徴は玄室奥壁に架せられた石棚です。

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このような棚には棺を置いたり、副葬品を置いたりしたようですが、ここでは棺が置かれていたらしい。

県下では3例あるのみで、そもそも石棚のある古墳は紀ノ川流域に多く分布していて、この辺りの紀氏との関係が指摘されています。

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この地には氏神もあり、なんらかの関連は確かなようです。

 

竜田川に沿って南へ歩きます。

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本日始めに立ち寄ったまぐわ淵あたりの流れとは全く異なる穏やかな竜田川です。

左手に矢田丘陵、右手には信貴山

嶋左近と松永久秀がこの谷をはさんでにらみあった?とか?そんな話を小耳にはさみながら、どんどん進みます。

なにやら、西の方が雪雲に覆われている!

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椿井城方面に向かい、途中線刻の笠石仏を見学。

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彫られた仏さまのまわりに15の種子。種子?

種子(しゅじ)とは・・・

仏教の諸尊を梵字一文字で表したもので仏尊を象徴的に表すものとして、板碑、石塔、石仏、お札や古文書、曼荼羅などにみられます。

 

この辺りで雪が降ってきました。

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椿井井戸を通り過ぎ、坂を上ります。

ちょっときつい。まだかな?

民家の間の坂道をのぼります。

 

ようやく目的地、椿井宮山塚古墳に到着しました。

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椿井の氏神春日神社の西側に築造されています。

この古墳は近畿地方における初期の横穴式石室ということで貴重な存在だそうです。

玄室は小さな割石を途中までは垂直に、上半はドーム状に積み上げられていて天井石と呼べるものはありません。

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入り口に柵が設けられ、中に入ることはできませんが、奥の壁にくぼみがあり、龕状施設の可能性。

さてさて、龕状施設?

がんじょうと読むそうで、燭台などを配置するところとなってます。

 

少なくとも40年ほど前は入ることもできたようですが、最近地震で崩れた箇所もあるとのことで、立ち入り禁止となっています。

 

今回はどの遺跡も各々の時代において重要な意義を持つというたいへん中身の濃いコースとなりました。服部先生、毎回のことではありますが、本当にありがとうございます。

 

雪に見舞われる寒い日ではありましたが、充実した一日となりました。

 

みなさまおつかれさまでした。