【2020年3月6日】京終駅発、西方院山城その他

昨日とは打って変わって暖かい日となりました。

まだまだ新しいJR京終駅集合で3月の講座は始まりました。

駅ナカにあるカフェで軽くお昼を済ませたメンバーも何人か。

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駅の真ん前に陣取り服部先生の説明を受けて出発です。

本日は全員集合ですよ! f:id:narakofu:20200307111146j:plain

JR京終駅は改築されていますが、所々以前の建物の一部を使用して建てられています。探してみるのもありですね。

かつて、南部方面といろんな物資をやりとりするロープウェイ(奈良安全索道)が16Kmもの距離を結んでいたと聞きました。その長さに驚きです。

またこの京終の地はある年齢層の人たちには懐かしいテイチクに関係の深い地でもありました。

 

なだらかに上り坂の道を東に向かって歩きます。

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途中かつてこの地域の豪族の居館があったと伝えられているあたりを通ります。

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もちろん今は何もありません。

 

吉備塚古墳

奈良教育大の敷地内に位置します。

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いろんな事情によって全容は定かではありませんが、出土した遺物は近くにある資料館で見ることができます。

吉備真備に関係あるのでは?

今のところそれはないと考えられる模様です。

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藤間家住宅主屋

春日大社の南方、高畑。

旧柳生街道に面して南側のこの辺りにはかつて春日大社神職たちが暮らしていました。

土塀で囲まれたこの藤間家も明治まで春日大社神職を代々務めた家柄だそうです。

社家住宅としての格式を表わす、造りということですが、現在は改修工事中のようです。

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ささやきの小径を抜けて春日大社方面へ。

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ささやきの小径 そう呼ばれるこの道は先ほどの高畑に住んでいた春日大社の神官たちが通った道のひとつで「下の禰宜道」とも呼ばれます。

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鹿苑を過ぎ、飛火野に向かいます。

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南側に春日山古墳群が見えてきます。

果たしてこれは古墳なのか?

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この飛火野を横切るように流れる小川。

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これは人工的に造られたものでこの流れより北側が神聖な地域とされていたと考えられます。

シルクロード博の際、パビリオン建設のため調査され、やはりこの流れより南側からいくつかの火葬墓の跡が確認されています。先述の古墳群も南側に位置していることから、この小川により区切られているのは確かなようですね。

 

西方院山城(さいほういんざんじょう)

浮御堂を右手に見ながら、

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つきあたりを左に折れ、天神社を過ぎて下に下り、

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瑜伽神社へ。

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この神社は階段を少し上ります。

社殿の右手、急な階段を三段ほど上り扉を開けて低い出入り口をくぐると、15世紀の陣城、西方院山城跡があります。

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西側に位置する奈良ホテルにあった鬼薗山城に対し、この西方院山城は二重堀など貴重な遺構が残されています。

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メンバーしばしこのレアな山城に思いを馳せていました。

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さて、わたしたちがこの山城で思いを馳せていた頃、瑜伽神社の階段下で待っていたメンバー2人、あまりに遅いので心配になり、後から上って行った男性に「10人くらいのグループがいたか」と尋ねたところ「そんな人たちはいなかった」と言われキツネにつままれたような心持ちになったそうな。

それもそのはず、西方院山城はあまり人に知られていないとびきりのレア遺跡。あの出入り口さえ、なかなか知らないとわかりません。

 

今回は奈良市内東部ということで、ポピュラーな地域ながら、初めて知る遺跡がほとんどで充実した一日となりました。

来年度はさてどんな遺跡が待っていることやら。

ただいま服部先生奮闘中です。

乞うご期待!